A4用紙に1テーマ1分で思いつくまま(思考せず)書き綴る思考整理術「ゼロ秒思考」。
書き出すことで初めて思考することになるという理念のもと、とにかく「考えずに書く」ことで思考を整理し、生産性を挙げる訓練(?)法です。
わたしも毎日とはいかずとも書くようにしていて、実践して何年か経ちます。
数年実践してみて、思考を整理したり発想力を向上させるとてもいい方法であると実感していますが、ただ1つの難点はそのやり方でした。
いわゆる「紙とペン」で行う点です。
ゼロ秒思考メモ術の考案者である赤羽氏は「紙とペン」での実践を強く勧めており、タイピングやフリック入力で実施しても効果は薄いとの考えです。とにかく結果が出るまでは本にある方法でやれと。
たしかに紙に文字を書くのと、タイピングやフリック入力は「アウトプット」という点では同じでも感覚としては違うんですよね。「文字を書く」ことでなにか脳がきちんと働くとでもいうのか、手書きのほうが脳からアウトプットされてる感じがします。
余談ですが、引き寄せの法則を科学的に解説している「ブレイン・プログラミング」でも手書きで目標を書くことを推奨しています。
わたしももちろん本家の方法でやってみましたがダメでした。ふつうに実践すると少なくとも1日あたり10枚ずつA4用紙が溜まります。1ヶ月で300枚です。
販売されてるコピー用紙の束が500枚で、厚さがだいたい10センチ。書くほどにこれが溜まっていくのはよほど整理が上手な人じゃないと無理でしょう。
わたしはこういう整理がとにかく苦手なので、書くほどに机や部屋が散らかることになり、それに耐えきれず4ヶ月たたずに挫折してしまいました。。。
紙ではダメだったがデジタルなら、と邪道とは知りつつも探した結果、ベストなツールを見つけました。
それは
iPad x Apple Pencil x Paperアプリ
です。
この方法で実践してから、毎日はできないまでも数年に渡って継続できています。邪道ではありつつも「やらないよりまし」なので、これからもこの方法で続けていく予定です。
この記事ではどのへんがゼロ秒思考のメモ書きを実践するにあたって便利なのかをご紹介していきます。
手で書くことにこだわる
赤羽氏はPCやスマホでの入力を推奨していませんが、デジタルでの手書き入力には言及していません。
「紙とペンではない」ことは確かなので非推奨ではあるのでしょうが、最低限「手で書く」ことはしているのでよしとしました。
iPadは9.7inchより大きなサイズで。
miniでは小さすぎです。本来はA4の紙を使うので、12.9inchがベストサイズ(もっともA4に近い)ですが、9.7や10.5inchもなんとかA4’的’として許容範囲でしょう。
わたしは10.5inchのiPadを使ってますが、A4用紙に書いている感覚とサイズ的に遜色ありません。
Apple Pencilでないとダメ
「紙とペン」の感覚に近づけるには、ペンのように書ける入力ツールが必須です。その点ではApple Pencil以外はありえません。
Apple Pencil以前にもiPadに使えるペンはありましたがペンと同様の使い心地とは言い難いものばかり。その点ではApple Pencilは反応速度もペン先の細さという驚異的にペン的です。
紙にいちばん近いアプリ “Paper”
iPadのノートアプリはものすごくありますよね。たとえばNote ShelfやGoodNote、MetaMoji、Notability、Bamboo PaperなどはわたしのiPadに入れてます。
いずれのアプリもノートとしての機能は優劣つけ難く優れてますが、Paperを選んだのはその「紙」っぽさにあります。
ゼロ秒思考はA4用紙1枚に1テーマずつ書いていくので、ノートをめくる感覚より紙を1枚ずつ出してくる感覚の方が必要です。その点でPaperは群を抜いています。
それでいてその”紙”をノートのようにまとめて整理できるので、たとえば「ゼロ秒メモ」というノート(まとまり)を作ればそこを開くとそれまで書いたメモの紙がずらっと並び書くほどにそのメモ紙が増えていくことになります。
新たな紙を出すときは2本指でスライスするだけなので、続けてメモ書きする際も手間がありません。
何万枚書いてもかさばらない
デジタルの最大のメリットですよね。1日10枚としても毎日書けば年間3,650枚。ほんとの紙ならそうとうな量ですが、デジタルならiPadの中に収まります。
ただ、すべてをiPadに保存しているととうぜんiPadの容量を圧迫するのでクラウドやUSBなどの外部ストレージに移さないといけません。(過去のメモを捨てるという選択肢もありますが)
わたしはGoogle Driveを使ってますが、boxなど他のクラウドストレージにexportできます。(うまくいかないストレージもあるので注意)
テーマごとに分類も可能
本来のメモは、溜まってきたらテーマごとに分類します。今回ご紹介したPaperではそれもできます。これは有料板(6ヶ月600円〜)の機能ですが、100円/月で無制限に書けるなら安いですよね。
テーマの分類はノートとして分類する形になります。たとえば「仕事」とか「趣味」といったノートを作って、毎日書き溜める「メモ」ノートが溜まったら適宜各テーマのノートに移動させます。
デジタルメモ書きのデメリット
「かさばらない」点でわたしにとっては他のデメリットは目をつぶれますが、あえてデメリットを挙げると
- ペンやアプリが反応しないときがある
- iPadが充電されていないとメモできない
の2点。
紙とペンでもたとえば「手元になければ書けない」とか「紙(インク)がきれたらかけない」とかあるので、紙とペンも万能ではないのでデメリットについてはおあいこというところでしょう。「赤羽氏が推奨していない」方法であることもデメリットといえばデメリットですね。
まとめ
やらないより(本来のやり方でなくても)やるほうがまし、ということでデジタルでのメモ書きを数年続けてきて、この方法がやはり自分には合っていると確信しています。
整理が苦手な人には強くおすすめできる方法です。
iPadやApplePencilを使っている方は持ち歩いていることが多いでしょうから、いつでもどこでも書ける、というのも便利です。
ちなみに今回紹介したツール3つのうちアプリ”Paper”の存在なくしてゼロ秒思考のメモ書きの継続はできていないと断言できます。
それくらいPaperの使い勝手はすばらしい。「スピードを重視して紙にどんどん書いていく」作業はこのアプリなくしてはできません。
このアプリは基本的な利用は無料でできますし、ゼロ秒思考のメモ書きにも無料で十分使えます(上述のように移動はできませんが)。
紙のゼロ秒思考のメモ書きに挫折しがちな方はぜひ試してみてください。